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【太一】フィクション

-朝は弱い頭の中で-  本日は12:00ちょうどに撮りましたよ…というポストを作ろうと思っただけだった。  些細な遊び心から始まった大きなミスと、小さな事件の始まりだった。  彼ががそのことに気づいたのは、予定の時間を2分も回った時である。そんな当たり前のことを、彼はうまくいくと信じて疑わなかった。本当に、これっぽっちも疑わなかったのだ。  いつものようにコーヒーメーカーがコポコポと音を立て、パンの焼き上がる音が無音の自宅に響いた。  誰も遊びに来ない部屋の中は、いつもより寒く感じた。  彼は出遅れたのだ。その時ちょうど12:10分を回ったところである。 つづく ※この物語はフィクションです。友達はいます。